【霧島・阿蘇】保田与天、ひとりの設計者が遺した二つの顔

霧島ゴルフ倶楽部(鹿児島県霧島市)と熊本ゴルフ倶楽部阿蘇湯の谷コース(熊本県南阿蘇村)は、ともに設計者として保田与天の名を持つ。一方は保田与天単独の設計のまま六十年以上を経て、もう一方は保田与天の九ホールに井上誠一が手を加え、震災からの再開も経験した。二つの歩みを公式サイトの記載から比べ、「設計者の名前」が何を語るかを整理する。
保田与天が設計した、霧島の18ホール
霧島ゴルフ倶楽部は霧島市牧園町高千穂3311に所在する。公式サイトによると、保田与天が設計してから六十年以上が経過してなお、コースは大きく変わっていない。アップダウンは少なく、自然の起伏をそのまま生かした丘陵コースである。パーはOUT・INとも36、合計72の18ホール。歴史を刻んだ松が多く、ドッグレッグのホールも複数あり、正確なショットが求められる。鹿児島空港からは車で約25分、タクシーなら約6,000円。JR日豊本線・霧島神宮駅からは車で約15分。九州自動車道の横川ICから約20分、宮崎自動車道の高原ICから約45分という。
保田与天の九ホールから、井上誠一の十八ホールへ
熊本ゴルフ倶楽部阿蘇湯の谷コースは南阿蘇村河陽に所在し、1952年(昭和27年)の開場で熊本県最古のゴルフ場という。公式サイトの沿革によると、戦前に米軍が整備した簡易コースを元に、牛馬の放牧地だった原野へ保田与天が九ホールを設計した。後に巨匠・井上誠一が監修し、十八ホールへ拡張されている。2016年の熊本地震で大きな被害を受けて休業し、再開は2020年5月15日だった。2023年10月には名物のホール「馬の背」も復活している。阿蘇くまもと空港、熊本IC・益城ICのいずれからも車で約40分の距離にある。
二つの名門を並べて見る
| 項目 | 霧島ゴルフ倶楽部 | 阿蘇湯の谷コース |
|---|---|---|
| 所在地 | 鹿児島県霧島市牧園町 | 熊本県阿蘇郡南阿蘇村 |
| 開場 | 保田与天設計から60年超 | 1952年・熊本県最古 |
| 設計の経緯 | 保田与天が18Hを設計 | 保田与天の9Hに井上誠一が増築 |
| 最寄り空港から | 鹿児島空港 車で約25分 | 阿蘇くまもと空港 車で約40分 |
| 大きな被災・休業歴 | 公式サイトに記載なし | 2016年熊本地震で休業、2020年再開 |
| ビジター料金(セルフ) | 公式サイトに表示なし | 平日8,000円・土日祝13,500円 |
(いずれも2026年10月、各公式サイトで確認)
「設計者の名前」が保証するもの
九州の古いゴルフ場では、設計者の名前が格を測る手がかりになる。保田与天や井上誠一という名前が出てくるコースは、戦後のゴルフ場開発期から続く古参であることが多い。だが同じ設計者でも、その後の歴史はコースごとに異なる。阿蘇湯の谷コースのように震災からの再開を重ねた場所もあれば、霧島ゴルフ倶楽部のように大きな改変の記録がない場所もある。接待で使う先を選ぶ際は、設計者の名前だけでなく、休業や再開の有無、空港からの時間も合わせて見ておきたい。

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