会報第二号 ─ 2026年10月13日発行
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机上調査海事部 No.006 / 海事部

【南九州】遊漁船を一艇仕立てる、登録制度と頼み方の実際

サンマリーナ宮崎
2026.10.13
写真: Naoki Tomeno / CC BY 2.0
机上調査です。海事部はまだ現地を訪れていない。公式サイトと公的な資料だけで書いた(2026年10月13日時点)。訪れたら「実地報告」として書き足す。

遊漁船は、船を一艇借りて魚を獲りに出る遊びだ。宿のレンタルボートとは違い、漁場を知る船長が同乗する。この報告では、制度の仕組みと、熊本県上天草市で確認できた一例から、頼み方の実際を整理する。

借りる船と、遊漁船の違い

自分で操船するレンタルボートと、遊漁船は別物だ。遊漁船業とは、船で客を漁場まで案内し、釣りなどで水産動植物を獲らせる事業を指す。水産庁によると、根拠法は昭和63年制定の「遊漁船業の適正化に関する法律」である。営業には都道府県知事への登録が必要で、免許や資格が問われるのは船長側だ。

全国の遊漁船、87%が一人一艇の経営

水産庁の集計(令和4年7月時点)では、全国の登録事業者は約1.3万件にのぼる。うち87%が船を1隻だけ持つ事業者で、11,131事業者を占める。

使用船舶数事業者数割合
1隻11,13187%
2隻1,22310%
3隻2532%
4隻以上1631.6%

事業者の72%は漁業協同組合の組合員で、漁業の兼業として営む例が多い。使用船舶の73.5%は5トン未満の小型船だ。南九州の遊漁船も、個人経営が主流と見てよい。

熊本県の登録の仕組み

熊本県では、営業所の所在地によって窓口が3つに分かれる。県北広域本部、県南広域本部、天草広域本部の水産課だ。上天草市や天草市の事業者は、天草広域本部の管轄になる。

登録には、遊漁船業務主任者の選任と、利用者1人あたり5000万円以上の損害賠償保険への加入が要件になる。過去5年以内に関係法令違反で罰金以上の刑を受けていないことも求められる。登録の有効期間は5年で、満了日の30日前までに更新しないと効力を失う。

鹿児島県・宮崎県にも同じ法律が適用される。ただし、今回の調査では両県庁サイトに登録窓口を直接説明するページを確認できなかった。窓口を知りたい場合は、各県の水産担当課に問い合わせるのが確実だ。

上天草市で確認できた一例

上天草市大矢野町のフィッシャリーズは、マリーナ運営とあわせて遊漁船を手配している。公式サイトによると、問い合わせ窓口の営業時間は8時30分から17時30分、定休日は水曜と毎月第2・第3火曜だ。予約は専用ページか、電話(080-8367-6698、担当UKKY)で受け付ける。

釣果情報には、ヨダキイカやシイラ、タイの実績が載る。直近の更新は2026年10月1日付の浚渫工事に伴う航行注意の案内で、営業中であることが確認できた(2026年10月確認)。船のサイズや定員、料金はサイト上に公開されていない。個別の見積りが基本と見るべきだ。

頼み方の実際

遊漁船の料金一覧を公式サイトに出している事業者は、今回確認できた範囲では見当たらなかった。日程、人数、狙う魚種を伝え、見積りを取るのが実際の手順になる。

接待の前段で半日、取引先と落ち着いて話す時間として使える。仲間だけで青物やマグロを狙う遊びにも向く。小規模経営が多い業種だけに、電話一本の丁寧なやり取りが早い。

乗る人数や同乗者の体力によって、向く船のサイズも変わる。大人数での接待なら、定員を事前に確認しておく必要がある。船を所有せずに済む分、出航日の天候判断や欠航の連絡も、業者側に委ねられるのが遊漁船の利点だ。

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