会報第一号 ─ 2026年9月28日発行
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机上調査美食部 No.002 / 美食部

【鹿児島市】かごしま黒豚の定義と、しゃぶしゃぶ・とんかつの使い分け

夕暮れの鹿児島市街と桜島
2026.09.28
写真: lumoplank / CC0
机上調査です。美食部はまだ現地を訪れていない。公式サイトと公的な資料だけで書いた(2026年9月28日時点)。訪れたら「実地報告」として書き足す。

鹿児島の黒豚には、名乗るための基準がある。この記事では「かごしま黒豚」の定義と、しゃぶしゃぶ・とんかつという二つの食べ方を整理する。あわせて鹿児島市内の2店を、接待向きとひとり向きに仕分ける。

「かごしま黒豚」を名乗る条件

基準を設けているのは、鹿児島県黒豚生産者協議会だ。平成2年に生産者を中心に設立された。

品種はバークシャーに限る。アメリカバークシャーは除かれ、他の品種と混ぜて飼わないことも条件になっている。バークシャーは四肢・鼻梁・尾端の6か所に白斑があり、「六白」とも呼ばれる。

もう一つの柱が飼料だ。肥育後期に甘しょ(さつまいも)を与えることが決められている。

項目協議会の基準・目安
品種バークシャー(アメリカバークシャーを除く)
飼料肥育後期に甘しょ10〜20%添加の飼料を60日以上
出荷日齢おおむね230〜270日
肥育期間一般的な豚の1.2〜1.5倍

「黒い豚」であることではなく、品種・飼料・育てる日数の基準を満たすことが条件だ。 平成11年には「かごしまブランド産地」に指定されている。

約400年の来歴

協議会によると、起源は約400年前。島津家久が琉球から移入したとされる。明治初期にはイギリスからバークシャーを導入し、在来の黒豚と交配して改良が進んだ。昭和30年代には東京で黒豚ブームが起きた。

その後、効率の高い白豚が広がり、黒豚は激減する。鹿児島県の資料では、昭和50年に県全体の出荷頭数の1.6%まで落ち込んだ。県畜産試験場は系統豚の造成を続け、昭和57年の「サツマ」から平成27年の「クロサツマ2015」まで4系統を完成させた。

しゃぶしゃぶか、とんかつか

県は特徴として、筋繊維が細いこと、脂肪の融点が高いことを挙げる。食べ方の定番は、しゃぶしゃぶととんかつの二つだ。

しゃぶしゃぶは鍋を囲む料理で、予約と人数が前提になりやすい。とんかつは定食で出す店があり、ひとりでも頼みやすい。場面で選ぶなら、会食はしゃぶしゃぶ、ひとりの昼や出張の夜はとんかつと考えるとよい。

接待なら天文館「あぢもり」

黒豚料理あぢもりは、天文館の千日町にある。公式サイトで「黒豚しゃぶしゃぶ発祥の店」と名乗り、「黒しゃぶ」は同店の登録商標だ。店主のあいさつによれば、昭和53年から黒豚料理のPRを続けてきた。ポン酢やごまだれを使わず、スープと卵で食べる独自の形をとる。

個室の構成は接待向きだ。2階に掘りごたつの和個室が8部屋、1階に3〜12名の洋個室、3階に最大70名の大広間がある。夜は「特選黒しゃぶコース」が中心で、4,400〜8,800円(税込・サービス料別。2026年9月 公式サイトで確認)。個室利用時はサービス料10%〜がかかる。予約は電話のみで、予約時にコース内容も決める。しゃぶしゃぶの予約は2名からだ。

1階には、予約を受けないとんかつコーナーもある(昼のみ、1,350〜2,100円。税込。2026年9月 公式サイトで確認)。ひとりで天文館にいるなら、こちらが使える。

ひとりなら中央駅「とんかつ川久」

とんかつ川久は、鹿児島中央駅から徒歩約4分の中央町にある。山形屋内で営業する瀬戸口精肉店が営むとんかつ専門店で、創業は昭和50年。黒豚は「渡辺バークシャー」グループのものを使う。

メニュー価格(税込)
上黒豚ロースカツ2,700円
上黒豚ヒレカツ3,000円

(2026年9月 公式サイトで確認)

タレはソース・しょうゆ・ゆずみその3種類。駅に近いので、新幹線の前後に寄る使い方に向く。

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